建築の環境計画において、「日射」は熱環境や冷暖房負荷、建物の劣化などを考える上で欠かせない要素です。今回は、試験に出やすい「直達日射と天空日射」「放射エネルギーの作用」「方位別・季節別の終日日射量」について分かりやすく解説します。
直達日射と天空日射
日射には、太陽から直接届く光と、大気中で散乱されて届く光の2種類があります。それぞれの意味と数量的な関係を押さえておきましょう。
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直達日射とは 太陽から発せられた光線が、地球の大気層を通る際に雲や塵などに遮られることなく、直接地表に到達する日射のことです。影がはっきりとできるのが特徴です。
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天空日射とは 太陽光が、空中の大気分子やエアロゾル(微粒子)、雲などによって四方八方に散乱され、空全体(天空)から地上へ降り注ぐ日射のことです。
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天空日射量と直達日射量の関係 建築環境工学の知識として、「天空日射量は、直達日射量の約1/7程度である」という数値は非常に重要です。試験の正誤問題で狙われやすいポイントなので、必ず覚えておきましょう。
放射エネルギーの作用
太陽から放射されるエネルギー(電磁波)は、波長の長さによって性質が異なり、地球環境や建築材料に様々な影響を与えます。
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紫外線 波長が約100〜380nmと非常に短い光です。物質の化学変化や材料の劣化(退色・黄変・プラスチックの劣化など)を引き起こすほか、人体の日焼けや皮膚障害の原因となります。
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可視光線 波長が約380〜780nmの範囲にあり、人間の目が光として感じ取る領域です。建築の採光計画や照度計算の基準となります。
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赤外線 波長が約780nm以上の領域にあり、物質に吸収されると「熱」に変わる性質があります。室内の日射熱取得や冷房負荷に大きく影響します。
【オゾン層・紫外線・フロンの関係】
成層圏にあるオゾン層は、地球上の生物にとって有害な紫外線を吸収・遮断する保護膜のような役割を果たしています。 しかし、エアコンの冷媒やスプレーなどに使われていたフロンガスが大気中に放たれて成層圏に到達すると、紫外線によって分解されて塩素原子を放出し、オゾン層を破壊してしまいます。オゾン層が破壊されると、地表に到達する有害な紫外線が増加するため、モントリオール議定書などの国際的な取り決めによってフロンの全廃や代替化が進められてきました。
方位別の終日日射量
一日に建物面が受ける日射エネルギーの総量を終日日射量と呼びます。季節(特に夏至と冬至)や方位によって、日射量の大小関係が大きく変わるため、試験では定番の得点源になります。
① 夏至の終日日射量に着目した場合
夏至は太陽高度が高く、太陽が北寄りの空から昇って沈むため、次のような特徴的な大小関係になります。
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水平面が最も多い 夏至の時期は、太陽が頭上高くを通るため、水平面は太陽光をほぼ正面から(垂直に近い角度で)受けることになります。そのため、水平面の終日日射量が最も多くなります。
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南面より東・西面の方が日射量が多い 「南面の方が日射量が多そう」と勘違いしやすいですが、夏至の時期は南面に対して太陽高度が高すぎて光が斜めに当たるため、受熱量が少なくなります。一方、東面や西面は朝夕に低い角度から効率よく光が差し込むため、南面よりも終日日射量が多くなります。
② 冬至の終日日射量に着目した場合
冬至は逆に太陽高度が低くなり、太陽が南寄りの低い軌道を通ります。
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水平面より南面が多い 冬至の頃は、太陽高度が低いため水平面への日射入射角が小さくなり、水平面の日射量は少なくなります。一方で、傾いた低い太陽が南側に位置するため、南向きの壁面(鉛直面)には多くの直達日射が差し込み、水平面よりも南面の方が日射量が多くなります。
まとめ
一級建築士試験の「環境・設備」では、今回紹介した数値や大小関係が直感とは逆になるケース(夏至の東西面と南面の関係など)がよく出題されます。
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天空日射量は直達日射量の約1/7
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夏至:水平面 > 東西面 > 南面 > 北面
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冬至:南面 > 水平面(傾向として南面が非常に有利)
こうしたポイントをしっかり整理して、本試験での得点につなげましょう!
免責事項
本記事は一級建築士試験の学習を補助する目的で作成されており、特定の試験問題の出題を保証するものではありません。学習においては、必ず公式のテキストや過去問題、最新の法規をご確認ください。

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