【基礎学習 一級建築士(計画)】集合住宅の洗面台の高さ、適切なのは70〜75cm

一級建築士

「集合住宅における洗面室の洗面台の高さは、一般に70~75cm程度で計画する。」という記述について考えていきます。

なぜ70〜75cmが適切とされているのか?

集合住宅における洗面台の高さが70~75cm程度とされているのには、いくつかの理由があります。

日本人の平均身長に合わせた使いやすさ

洗面台は、顔を洗ったり、歯を磨いたり、手洗いしたりと、日常的に頻繁に使用する場所です。一般的に、日本人の成人女性の平均身長が約158cm、男性が約171cm(※統計により多少前後します)であることを考えると、70~75cmという高さは、多くの人にとって無理のない姿勢で利用できる高さと言えます。 特に、かがみこんだり、背伸びしたりすることなく、自然な体勢で鏡を見たり、洗面ボウルに手が届くように計画されています。

使い手の多様性への配慮

集合住宅は、老若男女様々な方が暮らす場所です。小さなお子さんから高齢者の方まで、幅広い世代の人が利用する可能性を考慮すると、極端に高すぎたり低すぎたりする洗面台は、使い勝手を損ねてしまいます。70~75cmという範囲は、ある程度の個人差を吸収できる汎用的な高さとして設定されています。

水はねの防止

洗面台の高さが低すぎると、顔を洗う際などに水が床に飛び散りやすくなります。逆に高すぎると、水が服にかかったり、洗面ボウルから溢れたりする可能性も出てきます。適切な高さにすることで、水はねを最小限に抑え、清潔で快適な洗面空間を保つことができます。

一般的な洗面器・水栓器具との組み合わせ

市販されている洗面器や水栓器具の多くは、この70~75cmの高さに合わせて設計されています。これにより、デザイン性や機能性を損なうことなく、様々な製品を組み合わせることが可能になります。

ただし、状況によっては例外も!

もちろん、すべての洗面台がこの高さでなければならないというわけではありません。例えば、以下のようなケースでは、70~75cm以外の高さが採用されることもあります。

ユニバーサルデザインへの配慮

車椅子利用者が使用することを想定した洗面台では、下部に車椅子が入り込めるスペースを確保するため、床からの高さがこれよりも低く設定されることがあります。(一般的には60~65cm程度で、下部に足入れスペースを設けるなど)

デザイン上の要求

特殊なデザインの洗面台や、特定のインテリアコンセプトに合わせた空間では、あえて標準的な高さからずらして設置されることもあります。ただし、その場合でも使い勝手への配慮は不可欠です。

用途による違い

洗面室ではなく、例えば手洗い専用のコーナーなど、用途が限定される場合は、異なる高さが採用されることもあります。

語呂合わせ

「ナオ(70)の洗面台で、ゴー(5)って流す」

  • 70を「ナオ」さんの名前に見立て、75を「ゴー」と「5」に。

  • 水が流れる音「ゴー」と関連付けて、洗面台をイメージしやすくします。

もっと覚えやす語呂があれば教えてください!!

まとめ

70~75㎝という数字は、日本人の平均的な体格や使い勝手、そして水回りとしての機能性を考慮した、非常に合理的な高さ設定と言えます。単なる暗記で終わらせず、その背景にある「なぜ?」まで考えることで、より深い知識として定着させることができます。

問題と解説

問題

集合住宅における洗面室の洗面台の高さは、一般に70~75cm程度で計画する。

回答

正解

解説

洗面台の高さが70~75cmとされているのは、主に日本人の平均的な体格に合わせて、無理なく快適に使えるように配慮されているためです。この高さであれば、顔を洗ったり、歯を磨いたりする際に、かがみこんだり背伸びしたりすることなく、自然な姿勢で利用できます。また、水を使用する際の水はねを効果的に防止し、洗面室を清潔に保つ上でも適した高さとされています。特別な配慮が必要な場合(例えば、車椅子利用を想定したユニバーサルデザインなど)を除けば、この範囲で計画するのが集合住宅では一般的とされています。

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