鋼材には非常にたくさんの種類がありますが今回は、建築で使用する鋼材について整理しました。
鋼材の種類
①一般構造用圧延鋼材(SS材)
②建築構造用圧延鋼材(SN材)
③溶接構造用圧延鋼材(SM材)
④溶接構造用圧延構造(SMA材)
⑤一般構造用炭素鋼管(STK材)
⑥建築構造用炭素鋼管(STKN材)
⑦一般構造用角形鋼管(STKR材)
⑧建築構造用冷間ロール成形角形鋼管(BCR材)
鋼材の特徴
一般構造用圧延鋼材(SS材)
主な用途:小梁等主要部以外
構造用鋼材の中で幅広い用途で使用されていますが、建築では主要部分に用いません。主要な部分とは大梁のことで大梁にはSN材を使用します。また、溶接性が悪いため溶接部材としては使うことはできません。
建築構造用圧延構造(SN材)
主な用途:大梁、ダイヤフラム
SN材は比較的新しい材料で記号の二番目のNは”new”(新しい)を意味します。大梁でSN材が使用されるが、これは現在の耐震設計が大地震時に塑性変形を利用したエネルギー吸収を期待しているためで、降伏比や降伏耐力の上限が規定されているSN材が用いられる。SN材は溶接性も問題ありません。
溶接構造用圧延鋼材(SM材)
主な用途:溶接の多い大規模ビル
SM材は溶接に優れた材料です。鉄骨同士を溶接する際に溶接性が悪いと溶接不良の原因となります。
溶接構造用耐候性熱間圧延鋼材(SMA材)
主な用途:建築外装 (橋梁、鉄道車両)
溶接構造用圧延鋼材(SM材)に銅、クロム、ニッケルを配合することで錆びにくくした材料です。
一般構造用炭素鋼管(STK材)
主な用途:間柱
円形の鋼管で柱によく使われていたが最近は需要が減ってきている。
建築構造用炭素鋼管(STKN材)
主な用途:柱
建築物に使用する構造部材は粘り強さが求められるため、STKN材は粘り強くなるように引張強度や降伏耐力に上限値が想定されています。最後のNは”new”(新しい)を意味します。
一般構造用角形鋼管(STKR材)
主な用途:間柱
角形の鋼管で角部分にフィレットがついている材料。BCR材が製造される前は一般的に使用されていた。
建築構造用冷間ロール成形角形鋼管(BCR材)
主な用途:柱
角形の鋼管でSTKR材に比べて降伏比、吸収エネルギーが規定されている。
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