【基礎学習 一級建築士(計画)】階段の勾配、徹底解説!

一級建築士

今回は、階段の勾配について、説明します。オフィスビルや商業ビルにおける階段の勾配は、建築基準法によって定められています。これらの基準は、利用者の安全と利便性を確保するために重要となっています。

建築基準法の階段基準

建築基準法では、階段の勾配を蹴上げ(けあげ)踏面(ふみづら)の寸法で規定しています。蹴上げは一段の高さ、踏面は一段の奥行きを指します。

用途 蹴上げの最大寸法 踏面の最小寸法
学校、病院、劇場、百貨店、集会場など 18 cm 26 cm
その他の階段 20 cm 24 cm

事務所ビルや店舗ビルは「その他の階段」に分類されることが多く、蹴上げは20 cm以下、踏面は24 cm以上としなければなりません。この基準は、利用者が安全に昇降できる適切な勾配を確保するためのものです。

オフィスビルや商業ビルにおける階段の勾配は、建築基準法によって定められています。これらの基準は、利用者の安全と利便性を確保するために重要です。

 

一般的に望ましい勾配の寸法

建築基準法は最低限の基準であり、より安全で快適な階段を設計するためには、以下のような寸法が一般的に望ましいとされています。

  • 蹴上げ:16〜18 cm

  • 踏面:28〜30 cm

この寸法を角度に換算すると、階段の勾配は30°〜35°が望ましいとされています。特に、蹴上げ+踏面の合計が45 cm前後2 × 蹴上げ + 踏面の合計が60 cm前後となるように設計すると、人間工学的にバランスの取れた、歩きやすい階段となります。これは「フーモンの法則」として知られており、建築士の設計実務でも頻繁に用いられる目安です。これらの寸法は、利用者の足に負担が少なく、自然な歩行リズムを維持できるため、快適性と安全性を高める上で非常に重要です。

これらの規定を正確に理解し、設計に反映させることが、安全で使いやすい建物を計画する上で不可欠です。試験では、単に数値を暗記するだけでなく、その設計意図を理解することが合格への鍵となります。

まとめ

これらの規定を正確に理解し、設計に反映させることが、安全で使いやすい建物を計画する上で不可欠です。

問題と解説

問題

事務所・店舗ビルの階段の勾配は、一般に、40~45°が望ましい。

回答

不正解

解説

一般的に望ましい階段の勾配は、30°~35°です。 事務所ビルや店舗ビルの階段は、建築基準法で蹴上げ20cm以下、踏面24cm以上と定められており、この基準を満たす階段の勾配は30°~40°程度になりますが、より安全で歩きやすい勾配は35°以下とされています。40°以上の勾配は急であり、利用者の転倒リスクが高まるため、避けるべきとされています。

免責事項

本記事は一級建築士試験の学習を補助する目的で作成されており、特定の試験問題の出題を保証するものではありません。学習においては、必ず公式のテキストや過去問題、最新の法規をご確認ください。

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