日照時間とは
日照時間とは、気象台やアメダスなどの日照計により観測される太陽が照った時間数のことを指します。具体的には、以下のように定義されます。
- 日照時間の定義: 一日のうちで、日照計で測定される直達日射量が120W/m²以上である時間と定義されます。日照なしの目安(120W/m²以下)は、直射光によって物体の影が認められない程度です。
日照時間は、気象や地形などの周辺環境によって左右され、地域ごとに異なります。建築や都市計画において、日照時間は重要な要素であり、建物の配置や窓の配置を決定する際に考慮されます。
日照時間の算出方法
日照時間は、以下の要素によって計算されます。
- 太陽の位置: 太陽の高度角と方位角を考慮します。これは、特定の日時と地点における太陽の位置を示します。
- 障害物: 周囲の建物や樹木などの障害物が、日照時間に影響を与えます。障害物がない場合、日照時間は最大になります。
- 季節: 太陽の高度角は季節によって変化します。冬至や夏至などの日において、日照時間は異なります。
可照時間とは
可照時間とは、地球上において、雲や山などの影響を無視して、太陽からの日照が当たりうる時間のことを指します。厳密には、地表のある地点において、太陽の中心が地平線・水平線に達して空に昇った時点から、再び太陽の中心が地平線・水平線に達して没したときまでの時間を指します。
昼の時間、つまり日の出から日の入りまでの時間とはほぼ同じですが、可照時間はそれよりも、太陽が天頂を通過する場合で最短の約4分短く、太陽高度が低くなればなるほど差が大きくなります。可照時間はほぼ例外なく、日照時間よりも長いです。これは多くの場所で地形の影響が少なからずあり、また、日照時間は定義上ある程度の直達日射量を超えないとカウントされないためです。可照時間に占める日照時間の割合を日照率といい、その地域の晴天や曇天の割合を示す指標として用いられます。可照時間は天候や地形に左右されず、緯度と季節に依存するところが大きいため、軌道要素などから計算で求めることが可能です。微小な誤差要因として、大気差や地球軌道のずれなどがあるものの、最大数十分程度であることに注意してください。
日照図表
水平面上の観測点から太陽の運行を追跡する と観測点を頂点としてできる円すい面の、水平面からの高さの 面で切った断面を等高線で表わしたものである。 冬至などの特定日に、対象となる建物が特定の地点に及ぼ す日照の影響を知ることができる。
まとめ
- 日照時間: 実際に日の照っていた時間を意味します。
- 可照時間: 日の出から日没までの理論上日が当たる時間(障害物はないものとした場合の時間)です。
- 日照率: 可照時間に対する日照時間の割合を表します。
問題と解説➀
問題
日照時間とは、ある地点においてすべての障害物がないものと仮定した場合に、日照を受ける時間である。
解説
不正解。
問題は可照時間の説明です。可照時間は、通常、日の出から日没までの時間を指します。これに対して、日照時間は、その地点が実際に太陽の光を受けた実時間を意味し、これは天候や地形などの周辺環境によって左右されます。そして、可照時間における日照時間の割合を日照率と呼びます。
問題と解説②
問題
日照率は、1日(24時間)に対する日照時間の割合である。
解説
不正解。
日照率は、日照率=日照時間/可照時間×100【%】で示される。ここで、日照時間はその土地で実際に日が照った時間、可照時間はその土地の日の出から日没までの時間である。したがって、日照率は日の出から日没までの時間に対する日照時間の割合である。
問題と解説③
問題
年間の水平面の日差し曲線を1枚の図としてまとめたものを、日照図表という。
解説
不正解。
水平面日差し曲線の描かれる平面と視点との基準高さを段階的に変えて、得られる多数の日差し曲線を1枚の図としてまとめたものを日差し曲線群といい、冬至など特定の日について作成されたものを日影図表という。「年間の」というのは不適当である。
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